私、それでもあなたが好きなんです！～悩みの種は好きな人～

「すみませーん！　注文入りまーす」

このまま言い合いになってしまうのでは……。とおろおろしていると、ホールから怜奈の声がして石堂さんと雅人さんがハッと顔をあげた。

「今日中になんとかする」

それだけ言うと、石堂さんは部屋を出て行った。

「はぁ……悪いね、変なとこ見せちゃって」

雅人さんは閉められたドアに向かって大きくため息をつくと、バツが悪そうに小さく笑った。

「あぁいう時は放っておいたほうがいい。花岡さんも気にしないでね。八つ当たりしてきたら一発殴ってやるといい」

雅人さんは冗談交じりに言うけれど、石堂さんを気にかけている様子が窺える。いつも堂々としてなんでもやってのけそうな石堂さんなのに、なんとなく思いつめている感じがして私も気になってしまう。