あなたに私は見えていますか
指を動かすのもやっとくらいでした。
あんなにおなかが張っていたのが嘘のようにほっそりとしていました。大事には至らず一週間で退院できみんなも一安心。
それからというとあれだけのことがあったにも関わらずミルクを飲む量は変わらず、親を困らせてました。
首も座ってきていろんなものに興味を持ってきた頃、母が何かに気づいた。
「ねぇお父さん、この子まっすぐ私を見てないよ。」
父は何を言ってるんだというような顔で僕を見た。
父も僕を見た後に
「なんか違うね。まぁ、もうちょっと様子見てからにしよか。」
と母に言った。
一歳になる誕生日に一年検診に病院へ行った。
先生が
「いろいろあったけど大きく育ってるね。」
と言ってくれて体には異常はなかった。
しかし、母は僕がものを見るときに頭の傾げてることが気になっていた。先生は眼科を薦めてくれた。
眼科に行き診断結果は、『眼振・斜視・乱視・弱視・近視』とのことでした。
「まだ小さいからはっきりとはわかりませんが今のところは様子を見ていきましょう。」
と眼科の先生は言った。それからと言うもの2個年上の兄と遊んだり喧嘩したりしながらすくすく育ち幼稚園に入園することになりました。
朝9時に
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