あの隙間から見上げた空
ニャ―

あ、猫だ。

あたしが
少し手を伸ばすと
猫は
ためらいもなく
あたしの手のひらに
ほほをこすりつける。

かわいい。

抱き上げても
いやなそぶりなんか全然みせない。
それどころか
ごろごろ
喉なんか鳴らしちゃってる。

あれ、首輪つけてる。
飼い猫なんだ。

よくみると
何か書かれてる。

「りんたろう」

うわ、猫のくせに渋い名前。
ん?他にもなにか書いてある。

「この猫は家猫です。
もし外で見かけたら迷子なので
連絡お願いします。」

その下に飼い主と思われる
人の名前と携帯番号が
かかれてた。


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