あの隙間から見上げた空
あの、猫の

「りんたろうですかっ!?
見つかったんですかっ!?
ありがとうございます!
すぐいきます!」

うわ
なんか携帯越しに
つば飛んできそうな
勢いだよ。
よっぽど探してたのかなぁ。

あたしが
今いる
コンビニの場所を
告げると

「すぐいきますんでっ
まっててくださいっ!」

と、もう走り出してるんでしょ?
と思うくらいの
せっぱつまった声が聞こえた。

電話を切って

猫の喉をやしくなでる。
「よかったね、おまえ
飼い主見つかったよ。」
猫は知らん顔
あたしの腕の中で
ごろごろ・・・。

お前は
のんきでいいねえ。
< 19 / 43 >

この作品をシェア

pagetop