雪だるまにマフラーはいらない

志織ちゃんは昔住んでいた家、つまり俺の前の家に戻ってきたそうだ。
　





　志織ちゃんと一緒に家に帰るなんて何年ぶりだろうか。小学生のころは集団下校で毎日一緒に帰っていた。






「そういえば、なんでこの時期に転校してきたの」





「知りたいの」






「知りたい」






「黎君に会いたくなったから」







「なんだよそれ」








「あー、本気にしてないな」






「してない」