雪だるまにマフラーはいらない
 今から約十年前のこと。




その日も今日と同じように朝起きると雪が積もっていた。



俺は朝食をとるやいなや防寒着も着ず、手袋を片手にもって、外へ飛び出そうとした。けど、母に捕まってマフラーをぐるぐると巻かれた。




母がマフラーを巻きおわるとすぐに走って、銀世界へ向かった。
 




 外に出ると冷たい空気が頬にあたった。向かいの家から志織ちゃんが出てきた。




志織ちゃんは俺と違って、コートを着て、手袋をはめていた。


そして、俺と同じようにマフラーをぐるぐるに巻いていた。


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