sugar、sugar、lip
朝から色々あったから……今日は早く帰ろうって思ったのに……。



「日直がんばって~」


こう言ってさっさと帰ってしまった絢音を恨めしく思いながら、日誌片手に早足で職員室を目指した。



……ホント、誰か仕組んでんじゃない?


なんで毎日毎日好きでもない学校に放課後まで居なきゃいけないのよ……。



完全にイライラ全開で歩くわたし。



窓に写った顔が不機嫌に歪んでいた……。


それを見て自己嫌悪……。



……こんなに眉毛つり上げてたら、善くんじゃなくても嫌だよね……。



あぁ……また善くんのこと考えてる……。




やめよ。




そんな心情を知ってるかのように、またあの音色が耳に飛び込んできた。








彼のピアノだ……。
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