sugar、sugar、lip
昼間散々やらかしたけど……、



相も変わらず……、


放課後の音楽室からは米倉くんのピアノのメロディーが溢れてて……、


その音の心地良さに身を委ねながら……、



「ふぁ……」


「……」


「はぁ~……」



欠伸が止まらないわたし……。




「……俺にも喧嘩売ってんの? 買うけど?」



さすがにピアノを演奏する人の隣で何回も欠伸してたら怒られた……。



「……つい」



ウトウトしちゃうんだ……。



「なぁ」

「えっ?」


不意にピアノを弾く手を止め、米倉くんがわたしに話しかける。


「……なんで別れたんだよ? 未送信の相手」


てっきり昼間の教室のことかと思った……。



しかも、なんでまた……こういう人が触れたくない話題を……。



「……ヨリ戻して三日くらいで、他に好きな人がいるって言われた」


「……へぇ」


聞いた割には短い返事。


多分……ホントのことをぶっちゃけてるわたしが意外なんだ……。


「じゃあ……最初に別れたのは?」



「自然消滅」



「消滅?」


「必死で……わたしに食らいついてくる彼を……いつでも試してたから……」
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