sugar、sugar、lip
それでも、米倉くんの表情は全く変わらない。



それが余計に腹立たしくて、



「わたしのこと、何も知らないくせに……」


わたしの口は止まらなくなる……。



「昼間のおまえと一緒だろ」


「はぁっ?」


「よく知らない相手を罵った」


「っ!?」


思わず口を閉ざしてしまう……。



だって……、



わたしには言い返せる言葉が見当たらない……。



「反論ならいつでも聞いてやるからな」


すっかり黙り込んでしまったわたしの頭を、米倉くんがまたクシャクシャに撫でた……。



「や……」


やめてよ……



こう言おうとして、わたしはまた口を閉じた。



ホントは……やめて欲しくないって撫でられた頭が言ってる……。



「……んじゃあ」




隣から去っていく米倉くんを、わたしは一度も見ることが出来なかった……。


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