sugar、sugar、lip
「じゃあ、絢音は喋ったことあるの?」

「ん~……無い。っていうか、喋ってるとこ自体あんまり見たこと無いな」



やっぱり暗い奴……。


「顔は悪くないのにね……」


ちょっと華奢……というかひょろっとしてる。


背はあるみたい。


けど、色素薄目で……どことなく中性的な顔だし。


「アンタの判断基準って全てそこなのね……」


「んっ? そう?」


しらばっくれて絢音を交わしてみる。


バレバレだからもっと呆れられるだけだけど……。





だって……中身なんていくら知ったところで、簡単には変わんないでしょ?



見た目はいくらでも変えられる。



わたしをフッた男だってそうだった……。


わたしが見た目イイオトコにしたところで……心は……。


止めよ。


今更、善くんのこと言ったって仕方ない。



とにかく……無理矢理に元カレを頭から追い出す……。



はぁ……。




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