sugar、sugar、lip
「……珍しい。しかも一年生の女の子かぁ」


やっぱり休み時間。


絢音と喋りながら過ごしてたわたし。



そして話題はと言えば、



「親しそうだね。米倉くんと」



そう。



教室の入り口のところで、一年生の女の子と米倉くんが親しげに喋ってること。



一年生の彼女は、小さくて可愛いくて……穏やかそう……。



そうだなぁ……

善くんの彼女に近いかも。



はぁ……。




「やっぱり、あんな感じの娘が男子はいいの?」



「へっ!? どうしちゃったの!! 急に!」


わたしのネガティブ発言があまりにも予想に反していたらしく、絢音は目をガンガンに開いてわたしを見てる。



……そんなにビックリしなくても……。


「……なんでもない」

「ごめんって~。 だって、あんな大人しそうな娘相手に自信失くしてんのが意外でさ」


別に自信失くしてるわけじゃないけど……。


思いっきり惨敗したのは事実だし……。



「気になるんでしょ? 米倉くんとあの娘」



「あり得ないわ」


そう。


あり得ない。



米倉くんが気になるのは……、単に珍しいから。



それだけ……。
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