sugar、sugar、lip
「あり得なくはないでしょ。毎日放課後まで一緒にいる相手なんだから」


「それはピアノが聴きたいからだってば」


「わかったわかった」


って言いながら、なんでそんなにニタニタ笑ってんのよ……。



「でも、大丈夫じゃない?」


「何が?」


「だってあの娘、彼氏いるみたいだし」


確かに。



彼女の左手の薬指には、指輪が光ってる。


それをなんとなく見つめてたら……、


「アンタも十分可愛いよっ」


「何よそれ……」


絢音が満面の笑みでこう呟いた……。



わたし、からかわれてる?



わたしは全然……




気になんかしてないんだから……。
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