sugar、sugar、lip
「一年の女の子?」


五限目の休み時間。



廊下で会った快登くんと喋ってるわたし……。


「奏大と親しい一年の女子……」


別に気になってるわけじゃなくて……、



ただ話題が無かったから……聞いてみただけだし……。



って、誰に言い訳してんのよ……。






……自分自身か。



「多分、花鈴(かりん)ちゃんかな」


「花鈴?」


「川村 花鈴。多分その娘」


川村 花鈴っていうのかぁ……。



っていうか、わたしが聞きたいのはそこじゃないんだけど……。



「米倉くんと……」


どういう関係?



「奏大に直接聞きなよ。俺は言わないよ」



こう言ってめっちゃ良い笑顔を浴びせてくる快登くん。





そんなことだろうとは思ったけどさ……。



「教えてもらえなかったら泣きついてきてもいいよ。同情して教えたげるから」




快登くんの可愛らしい笑顔が心底腹立たしい……。






聞けるんならアンタになんか聞いてない……。




聞けないからアンタに聞いてんだよー!!
< 40 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop