sugar、sugar、lip
「入院退院繰り返す俺に毎日会いに来ててさ」


「それが嫌で別れた」


アッサリ吐き出された言葉と、変わらない表情が頭にこびりついた……。


「なんで?」


「だって……結婚してるわけでもないのに、ただ付き合ってる俺のせいで辛い思いさせたくなかったし」


「でも……好きだったんでしょ?」



「うん。好き。だから別れた」



……なんで?


なんで愛し合ってるのに、別れを選んだの?




なんでそんなに穏やかな顔して話せるの……?



見てるわたしが……切ないよ……。



「待って貰えばよかったじゃない……回復するの」



わたしの問いかけに、米倉くんの冷静な声が返ってきた。




「しなかったら?」

「えっ……?」


「もし……回復しなかったら、期待だけさせちゃうじゃん。それってヒドくね?」



そっか……。



米倉くんは、



そんなことを考えながら、恋愛するんだね……。




「だから、早いとこ別れて次の相手に幸せにして貰えって……」


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