sugar、sugar、lip
『昨日、奏大に会わなかっただろ?
俺たちがわざわざアンタん家まで行ってやったの無駄にする気? どうせフラれんだから当たって砕けてくれば?』



起き抜けに送られてきたメールに、重い頭が更に重くなる……。



ちょっと……。



傷心の人間を更にズタズタにするようなこの文面……。



ドSにも程があるでしょ……。



返信する気力なんてもちろん起きなくて、携帯を閉じる。




まだ学校に行く気がしない……。



まぁ、既に授業は始まってる時間だけど……。



寝そべったままのベッドにうつぶせになって枕に顔を沈める。



そしたら、また間髪入れずにメールが入った。


『俺のメール無視した上に学校サボって悲劇のヒロインごっこしてんの? アンタがモタモタしてるから奏大退院したよ。さっさとフラれてきなよ? どうせフラれんだから』



また長々と嫌味なメールを送ってきたな……。



ご丁寧に奏大の家の住所まで書いてある。



わざわざ家まで行って当たって砕けて来いってこと?



やっぱり返信する気力なんて起きないから、そのまま携帯を閉じる。



『いつまでそうしてるつもり?』
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