sugar、sugar、lip
「……喧嘩売ってる?」

「大バーゲン中。買ってけよ」


こう言って、小馬鹿にしたような薄ら笑いを浮かべる快登くん……。


「……姑」

「馬鹿嫁」



ホントに奏大の姑だよコイツ……。


気に入らない嫁をいびる……。


でも、



ホントは感謝してたりする。



快登くんが居なかったら、



わたしは奏大に想いを伝えられなかったかもしれないから……。



「まぁ……厳しさは愛情の裏返しってね」

「気持ち悪いなぁ……やめてくれる? 俺は奏大と違ってアンタに愛情なんて無いから。憎しみ故の厳しさだから」


「……笑顔で言わないでくれる?」



正直、



快登くんのこれは、どこまでが冗談なのかわからなくなる……。



いいよ……。



奏大に慰めてもらうから……。



そんなことしてるうちに、気付けば教室の前まで到着。



はぁ……。



やっと解放される……。



そう思って、入り口に足を踏み入れようとした時だった。



「ねぇ~。米倉くんは静葉のどこが好きなの?」



何故か、教室には向かい合って座る奏大と絢音が居た。
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