sugar、sugar、lip
「……気になる?」


「……別に」



「俺はなる。ちょっと隠れて」



快登くんに腕を引かれて、わたしたちは入り口の前にしゃがみ込む。



確かに、



聞いたこと無かった……。



奏大はわたしのどこが好きなのか……。



「あの娘、顔とスタイルは申し分ないけど性格に癖あるでしょ? それで何回も失敗してるから」



溜め息混じりに言う絢音。


否定出来ないのが悲しい……。



「見た目大人っぽいけど、中身子どもだからアイツ」


この奏大の言葉を聞いて、


「ヒドい言われようだな」


快登くんにまで同情されてしまう……。



……逃げ出したいんですけど。



「……それが可愛いってのもあるけど」


奏大が付け加えた一言で、わたしの顔は緩みっぱなし……。

「キモい」


隣で毒吐く快登くんすら全く気にならないっ。



「でもさ、前の彼女とだいぶタイプ違うくない?」



「違う。正反対」


キッパリ言い切る奏大。


これはわたしだって自覚してる……。



「確かに。正反対だな」



隣の快登くんまで納得しちゃってるよ……。
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