sugar、sugar、lip
二人が居なくなった途端、



急に部屋が静かになった。



何気なく見上げたい空に、



白と水色のコントラストがキレイ……。




奏大……。



この空は奏大にも繋がってるのかな……。



ねぇ。




奏大もこの空、



見上げてますか?





……なんてね。




柄にもないな。




「はぁ……」


ふっと我に返って、



今更考えてみる……。



やっぱり勝手に産んだりしたら、さすがにマズいよね……。


そう思ったら、快登くんに負けないくらい大きいため息が出た。



「やっぱりマズかったかなぁ……」



「当たり前っ」



「……えっ」




思わず目を疑うってこのことだ。




目の前には、半年前よりちょっとだけ髪の伸びた奏大が居る。



奏大



って呼びかけようとした瞬間、


わたしの視界が塞がれた。




「昨日、快登に大至急病院って言われて頭の中真っ白になった……。高校のとき階段から落ちたときくらい」



ちょっと慌てたような奏大の声が頭の上から聞こえてくる。


あぁ……。




あったなぁ……そんなことも。
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