Three~となりの王子~
「あおいちゃん、泣かないでよ」
と言って司(ツカサ)が自分のグラスを差し出した。
自分だって泣きそうな顔してるくせに。
「ありがとう」
涙を拭いて、あたしは司のグラスに口をつけた。
不思議な味がした。
涙のしょっぱさと、麦茶の香ばしさ。
それから、甘い甘い蜜の味。
「甘い」
あたしがびっくりして目を丸くしていると、
「司、おまえまた麦茶に砂糖いれたのか?」
忍が呆れたように言った。
「ちがうよ、蜂蜜だよ」
「蜂蜜でも同じだ。麦茶に余計なものを入れるな」
忍に軽くはたかれて、司はちぇっと舌を出した。
だってこっちのほうがうまいんだもん、ってぶつぶつつぶやきながら。
司は三兄弟の末っ子で、あたしの二つ下。
子どものころからやんちゃばかりして、本当の弟みたいにかわいい。
と言って司(ツカサ)が自分のグラスを差し出した。
自分だって泣きそうな顔してるくせに。
「ありがとう」
涙を拭いて、あたしは司のグラスに口をつけた。
不思議な味がした。
涙のしょっぱさと、麦茶の香ばしさ。
それから、甘い甘い蜜の味。
「甘い」
あたしがびっくりして目を丸くしていると、
「司、おまえまた麦茶に砂糖いれたのか?」
忍が呆れたように言った。
「ちがうよ、蜂蜜だよ」
「蜂蜜でも同じだ。麦茶に余計なものを入れるな」
忍に軽くはたかれて、司はちぇっと舌を出した。
だってこっちのほうがうまいんだもん、ってぶつぶつつぶやきながら。
司は三兄弟の末っ子で、あたしの二つ下。
子どものころからやんちゃばかりして、本当の弟みたいにかわいい。