Three~となりの王子~
教室の中にいるときや、町を歩いてると、ちがいがはっきりわかる。

同年代のちゃらちゃらした女の子たちとはぜんぜんちがう。

黒くて長い髪。

切れ長の瞳。

すらっとした長身の美少女。

凛としてて、上品で、ほんのり清潔な色気すら感じる。


値踏みするように女の子たちを見てる若い男の目が、涼子の上に止まると、そのときだけ一瞬、空白ができる。


あ、やばい。

とんでもないもの見ちゃった。

この女にはかなわない。


男たちの心の声が聞こえてきそうで、自分のことでもないのにあたしは得意になってしまう。


どうだ、すごいだろ、あたしの親友は。

そこらの安っぽいアイドルになんか負けない。

あんたたちにはもったいない、高嶺の花なんだから。


って気分。

涼子はあたしの自慢だ。


「ほら、ぼーっとしてないでちゃっちゃと食べる。ほんと手のかかる子だね。高校生とは思えない。幼稚園から出直してきたほうがいいんじゃない?」

この毒舌さえなければもっといいんだけど。
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