奏。
プロローグ

目を瞑れば、幼い日の記憶。




泣いている男の子に、6歳くらいの私が歌を歌って励ましている。

たったそれだけ。


だから、

夢か、もしくはただの妄想だったんじゃないかって、

時々思う。




でも、確かに覚えてる。


彼の、手の温もりも


香りも



「ありがとう」

って、その言葉も。



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