悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
王太子と私のふたりきりでの外出ではないことに、ホッとしていた。
このような格好では、誰も彼が王族であると気づかないだろうけれど、道中に危険がないとは言い切れない。
女の私では彼を守ることなどできないし、護衛の存在を心強く思い、「よろしくお願いします」と言葉を返した。
その後は、木箱に車輪をつけたような不思議な乗り物に乗せられた。
よく見れば石畳みにはレールが敷かれていて、それが暗闇の奥へとまっすぐに延びている。
「鉱山で石炭や鉱石を運ぶのに使われるトロッコだよ。外に出るまでこれで移動するんだ」と王太子が説明してくれた。
トロッコの先頭には私、その後ろに王太子、グラハムさんと続き、最後尾は護衛のダウナーさん。
私たちはしゃがんでいるがダウナーさんだけは中腰で立っていて、片足を木箱からはみ出させて鉄製の枠にのせている。
その手は、井戸の手漕ぎポンプのような金属製の取手を掴んでいて、「発車します」と言うなり漕ぎ出した。
どうやらそれが動力となっているようだ。
レールの上をガタゴトと動きだしたトロッコは、すぐにスピードを上げ、風を切って走り出す。
このような格好では、誰も彼が王族であると気づかないだろうけれど、道中に危険がないとは言い切れない。
女の私では彼を守ることなどできないし、護衛の存在を心強く思い、「よろしくお願いします」と言葉を返した。
その後は、木箱に車輪をつけたような不思議な乗り物に乗せられた。
よく見れば石畳みにはレールが敷かれていて、それが暗闇の奥へとまっすぐに延びている。
「鉱山で石炭や鉱石を運ぶのに使われるトロッコだよ。外に出るまでこれで移動するんだ」と王太子が説明してくれた。
トロッコの先頭には私、その後ろに王太子、グラハムさんと続き、最後尾は護衛のダウナーさん。
私たちはしゃがんでいるがダウナーさんだけは中腰で立っていて、片足を木箱からはみ出させて鉄製の枠にのせている。
その手は、井戸の手漕ぎポンプのような金属製の取手を掴んでいて、「発車します」と言うなり漕ぎ出した。
どうやらそれが動力となっているようだ。
レールの上をガタゴトと動きだしたトロッコは、すぐにスピードを上げ、風を切って走り出す。