悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
確か、開催は明後日だったように思う。
このままではサロンに箔がつかず、直前になっていよいよ焦った夫人が、王妃に泣きついたと考えられた。
それで王妃は、自分は行きたくないから、代わりに私を出席させると約束し、夫人を納得させたのだろう。
そう推測して、心の中で大きなため息を吐き出した。
王妃に行けと言われたら、特に大事な用があるわけではないのに断ることはできない。
「わかりました。出席いたします」と私が答えたら、王妃はバッカス夫人にチェストの引き出しから白い封筒を持ってこさせた。
それを手渡される。
「新しい招待状を預かっていたのよ。あなたの出席は既に伝えてあるから、改めて返事を書く必要はないわ。そこに記載されている日時にお行きなさい」
「承知いたしました……」
面倒ごとを私に押しつけ、ひと仕事終えたようなスッキリとした表情の王妃に「お下がり」と言われる。
腰を落として頭を下げた私は、退室してドアを閉めると、「仕方ないわよ」と自分に言い聞かせるように呟いた。
これは公爵令嬢としての務めであり、かつ王妃の負担を軽くすることは侍女の仕事であると思うことにして、湧き上がる不満を押し込める。
気持ちを切り替えなくては。
廊下を自室へと歩きながら、どういう顔触れが集まるのだろうと冷静に考えていた。
このままではサロンに箔がつかず、直前になっていよいよ焦った夫人が、王妃に泣きついたと考えられた。
それで王妃は、自分は行きたくないから、代わりに私を出席させると約束し、夫人を納得させたのだろう。
そう推測して、心の中で大きなため息を吐き出した。
王妃に行けと言われたら、特に大事な用があるわけではないのに断ることはできない。
「わかりました。出席いたします」と私が答えたら、王妃はバッカス夫人にチェストの引き出しから白い封筒を持ってこさせた。
それを手渡される。
「新しい招待状を預かっていたのよ。あなたの出席は既に伝えてあるから、改めて返事を書く必要はないわ。そこに記載されている日時にお行きなさい」
「承知いたしました……」
面倒ごとを私に押しつけ、ひと仕事終えたようなスッキリとした表情の王妃に「お下がり」と言われる。
腰を落として頭を下げた私は、退室してドアを閉めると、「仕方ないわよ」と自分に言い聞かせるように呟いた。
これは公爵令嬢としての務めであり、かつ王妃の負担を軽くすることは侍女の仕事であると思うことにして、湧き上がる不満を押し込める。
気持ちを切り替えなくては。
廊下を自室へと歩きながら、どういう顔触れが集まるのだろうと冷静に考えていた。