悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
「母上、お茶の席に誘ったのも、送らせてほしいと言ったのも俺からです。オリビアに非はないので、そのような言い方はやめてください」
「随分と肩を持つのね。半月前の一件は、アクベス侯爵夫人から聞いているわ。あなた、まさか……」
王妃はレオン様ではなく、鉢合わせたときからずっと私だけを睨むように見ている。
最近の私が毎日のようにレオン様のお茶の席に呼ばれているのはもちろん知っているし、半月前の一件、つまりフリント伯爵夫人の芸術サロンでの出来事まで耳にしているということは、レオン様が私に心を寄せていることにも気づいているのだろう。
アクベス侯爵夫人から聞いたということなので、ひょっとするとロザンヌ嬢をなんとか王太子妃にできないかという相談も受けているのかもしれない。
『まさか』と言って言葉を切った王妃は、「オリビアの今日の仕事は終わりよ。自分の部屋に戻りなさい」と私に言い放つ。
その命令にすぐに従わずにレオン様の横顔を見たのは、私への文句を彼が肩代わりすることになるのではないかと危惧したためだ。
私の視線に気づいて、こっちを向いた彼は、大丈夫だよというように微笑みかけ、「お下がり」と優しく指示してくれる。
「随分と肩を持つのね。半月前の一件は、アクベス侯爵夫人から聞いているわ。あなた、まさか……」
王妃はレオン様ではなく、鉢合わせたときからずっと私だけを睨むように見ている。
最近の私が毎日のようにレオン様のお茶の席に呼ばれているのはもちろん知っているし、半月前の一件、つまりフリント伯爵夫人の芸術サロンでの出来事まで耳にしているということは、レオン様が私に心を寄せていることにも気づいているのだろう。
アクベス侯爵夫人から聞いたということなので、ひょっとするとロザンヌ嬢をなんとか王太子妃にできないかという相談も受けているのかもしれない。
『まさか』と言って言葉を切った王妃は、「オリビアの今日の仕事は終わりよ。自分の部屋に戻りなさい」と私に言い放つ。
その命令にすぐに従わずにレオン様の横顔を見たのは、私への文句を彼が肩代わりすることになるのではないかと危惧したためだ。
私の視線に気づいて、こっちを向いた彼は、大丈夫だよというように微笑みかけ、「お下がり」と優しく指示してくれる。