悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
ルアンナ王女の説明によると、王妃が他国に書簡を届けさせようとしたらしい。
そこには他国の王女をレオン様の花嫁として迎え入れたいという結婚の申し込みが綴られていたそうだ。
幸いにも王妃の命を受けた使者が旅立つ直前でグラハムさんが気づいてくれたから、阻止することができたらしい。
他国を巻き込めば、レオン様が私との結婚を諦めるしかないと考えたのね。
国同士の大事に至るかもしれない問題なのに、そんな勝手なことをするなんて……。
王妃の大胆な謀に、私が目を見開いて絶句していたら、ひと際大きな怒鳴り声が聞こえた。
「責められる筋合いはないわよ! 全ては国とあなたを思ってしたことです。オリビアとの婚約発表は、絶対にさせませんからね!」
耳を塞ぎたくなるような甲高い声が響いた直後に、荒々しくドアが開けられて、怒りに顔を赤くした王妃が廊下に出てきた。
廊下の真ん中に立っている私との距離は、一馬身ほど空いている。
とっさにルアンナ王女が私を背に隠してくれたけれど、見つからないはずがなかった。
目をつり上げた王妃は、「寝過ごすとは大層な身分ね」と私に嫌味を浴びせ、それから「罰として今日は一日中わたくしの衣装部屋を整理なさい」と言いつけた。
そこには他国の王女をレオン様の花嫁として迎え入れたいという結婚の申し込みが綴られていたそうだ。
幸いにも王妃の命を受けた使者が旅立つ直前でグラハムさんが気づいてくれたから、阻止することができたらしい。
他国を巻き込めば、レオン様が私との結婚を諦めるしかないと考えたのね。
国同士の大事に至るかもしれない問題なのに、そんな勝手なことをするなんて……。
王妃の大胆な謀に、私が目を見開いて絶句していたら、ひと際大きな怒鳴り声が聞こえた。
「責められる筋合いはないわよ! 全ては国とあなたを思ってしたことです。オリビアとの婚約発表は、絶対にさせませんからね!」
耳を塞ぎたくなるような甲高い声が響いた直後に、荒々しくドアが開けられて、怒りに顔を赤くした王妃が廊下に出てきた。
廊下の真ん中に立っている私との距離は、一馬身ほど空いている。
とっさにルアンナ王女が私を背に隠してくれたけれど、見つからないはずがなかった。
目をつり上げた王妃は、「寝過ごすとは大層な身分ね」と私に嫌味を浴びせ、それから「罰として今日は一日中わたくしの衣装部屋を整理なさい」と言いつけた。