悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
『それくらいのこと』と、重罪をわざと軽んじて口にすれば、険しい顔をしていた彼の眉間の皺が解けた。
プッと吹き出し、肩を揺らして笑ってくれる。
「さすがはオルドリッジ公爵家の令嬢だ。確かに君はしたたかで、俺にはない黒い心を持っている。ただ、その黒さは美しく純粋だ。とても尊敬するよ」
黒には悪いイメージがつきものなのに、美しく純粋とはおかしなことを言う。
一瞬だけ考えさせられたけど、レオン様が楽しそうにしてくれるのが嬉しくて、気づけば私も一緒に声をあげて笑っていた。
屋敷の中の小さな居間は、暖炉と椅子が二脚のテーブルセットとキャビネットがひとつあるだけで、他に調度類はない。
振り子時計もないので、時刻がわからないが、きっと夜も最も深まる時間なのではなかろうか。
笑いが収まった後には、向かい合う私たちの息遣いまでもが聞こえるほどの静寂が広がる。
するとレオン様の瞳が艶めくから、私の鼓動は自然と高鳴り始める。
立てた膝の間に抱き寄せられ、彼の右手が私の頬に添えられた。
息のかかる距離で私に真摯な眼差しを向ける彼は、麗しき唇を開いて、心に染み入る声を響かせる。
プッと吹き出し、肩を揺らして笑ってくれる。
「さすがはオルドリッジ公爵家の令嬢だ。確かに君はしたたかで、俺にはない黒い心を持っている。ただ、その黒さは美しく純粋だ。とても尊敬するよ」
黒には悪いイメージがつきものなのに、美しく純粋とはおかしなことを言う。
一瞬だけ考えさせられたけど、レオン様が楽しそうにしてくれるのが嬉しくて、気づけば私も一緒に声をあげて笑っていた。
屋敷の中の小さな居間は、暖炉と椅子が二脚のテーブルセットとキャビネットがひとつあるだけで、他に調度類はない。
振り子時計もないので、時刻がわからないが、きっと夜も最も深まる時間なのではなかろうか。
笑いが収まった後には、向かい合う私たちの息遣いまでもが聞こえるほどの静寂が広がる。
するとレオン様の瞳が艶めくから、私の鼓動は自然と高鳴り始める。
立てた膝の間に抱き寄せられ、彼の右手が私の頬に添えられた。
息のかかる距離で私に真摯な眼差しを向ける彼は、麗しき唇を開いて、心に染み入る声を響かせる。