悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
「王太子として、君に命じる。我が妃となりなさい。ともに国を守り、そして……俺に愛されて幸せになるんだ」


その声も眼差しも、今までの彼よりずっと堂々と威厳に満ちて、震えるほどの喜びがこの胸に込み上げた。

大きな障壁を乗り越えたことで、レオン様はさらに頼もしくなられたわ。

きっと、この国の行く先は安泰ね………。


未来への安堵と、求められる喜びが涙となって溢れ、私の頬を濡らす。

彼の胸に手を添え、「承知いたしました」と命令を受け入れて、「どうぞ、わたくしを存分に愛してくださいませ」と微笑んだ。

その直後に、さらに引き寄せられて、唇が重なる。


押しあてられた唇は、すぐに開かれて濃い交わりとなる。

なんの憂いもない、満ち足りた心での口付けは、これほどまでに幸せなものなのか……。

とろけてしまいそうな心地よさの中で、体の力は抜けていき、彼に背を支えられるようにして毛皮の上に体を横たえた。


仰向けの私に覆い被さるようにして、彼は愛しげに見つめてくる。

額と頬と唇にキスをくれて、それから首から下へと滑らせるように唇の位置をずらしていった。

いつの間にかデイドレスの襟のリボンはほどかれて、胸のボタンも三つ目までを外され、レースの下着があらわになっている。
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