悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
青い瞳は優しげに弧を描いている。
普段の私なら家族以外の人に親切な言葉をかけられたなら、警戒するところだ。私に近づいてなにをしたいのかと。
しかし彼の言葉には裏を感じず、スッと私の胸に入り込む。
怒りは消え去り、その代わりにまた握られている右手が気になった。
胸がドキドキとうるさい。
心なしか、顔も熱い気がする。
舞踏会などで男性に手を握られた経験は数多くあるというのに、どうしてこんなにも恥ずかしく思うのかしら……。
目を泳がせれば、ベッドサイドのテーブル上に銀製のカップと水差しが置かれていることに気づく。
「あの、水を……」
眠りの中にいた間、誰かが水を飲ませてくれたのか、喉は乾いていなかった。
けれども、この恥ずかしさから気を逸らしたくて、水を求めたのだ。
メイドを呼ぶことはなく嫌な顔もせずに、彼は水差しからカップに水を注いでくれた。
そして私の首の下に片腕を差し入れて少し持ち上げると、カップを私の口に……持ってくるのではなく、なぜか自分の口に水を含んでいる。
そして彼の唇が近づいてくるから、思わず私は「えっ!?」と驚きの声をあげた。
普段の私なら家族以外の人に親切な言葉をかけられたなら、警戒するところだ。私に近づいてなにをしたいのかと。
しかし彼の言葉には裏を感じず、スッと私の胸に入り込む。
怒りは消え去り、その代わりにまた握られている右手が気になった。
胸がドキドキとうるさい。
心なしか、顔も熱い気がする。
舞踏会などで男性に手を握られた経験は数多くあるというのに、どうしてこんなにも恥ずかしく思うのかしら……。
目を泳がせれば、ベッドサイドのテーブル上に銀製のカップと水差しが置かれていることに気づく。
「あの、水を……」
眠りの中にいた間、誰かが水を飲ませてくれたのか、喉は乾いていなかった。
けれども、この恥ずかしさから気を逸らしたくて、水を求めたのだ。
メイドを呼ぶことはなく嫌な顔もせずに、彼は水差しからカップに水を注いでくれた。
そして私の首の下に片腕を差し入れて少し持ち上げると、カップを私の口に……持ってくるのではなく、なぜか自分の口に水を含んでいる。
そして彼の唇が近づいてくるから、思わず私は「えっ!?」と驚きの声をあげた。