悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
当然のことながら、隣からは殺気立った視線を感じている。
チラリと横目で王女を窺えば、悔しげに唇を噛み、小鼻を広げて憤慨し、両手はスカート生地を握りしめてワナワナと震えていた。
嫉妬のあまりに王子の前でも意地悪そうな顔をしてしまう彼女に、『私のせいではないわ』と心の中で意見して、それからふと、仕返ししようとしていたことを思い出した。
もしかして、今がその好機ではないかしら……?
王子は止められなくなったように私を褒めて、興奮気味に思わせぶりなことを口にしている。
それに我慢ならなくなった王女は、「そうだわ!」と突然パチンと手を打ち、彼の話を遮った。
「わたくし、アンドリュー様に贈り物をご用意しておりますの」
ルアンナ王女は壁際に控えていた侍女を呼び寄せ、平たく白い紙箱をもらい受けている。
やっと自分に関心を向けてくれた王子に微笑みかけ、「どうかお受け取りくださいませ」とそれを差し出した。
お礼を言って箱を手にした彼は、膝の上で赤いリボンを解き、「なんでしょうか」と期待のこもる笑みを浮かべて箱を開けている。
中に入っていたものを広げるようにして持ち上げれば、それは円形のレースのテーブルクロスであった。
私が以前、『私は意地悪』という文字を勝手に編み込んで完成させ、それを元通りにほどいたものに間違いない。
あのとき、下手だから王子に贈らない方がいいと助言してあげたのに、彼女にとっては自信作なのか、今も褒められることを期待するような顔で彼の反応を窺っていた。
チラリと横目で王女を窺えば、悔しげに唇を噛み、小鼻を広げて憤慨し、両手はスカート生地を握りしめてワナワナと震えていた。
嫉妬のあまりに王子の前でも意地悪そうな顔をしてしまう彼女に、『私のせいではないわ』と心の中で意見して、それからふと、仕返ししようとしていたことを思い出した。
もしかして、今がその好機ではないかしら……?
王子は止められなくなったように私を褒めて、興奮気味に思わせぶりなことを口にしている。
それに我慢ならなくなった王女は、「そうだわ!」と突然パチンと手を打ち、彼の話を遮った。
「わたくし、アンドリュー様に贈り物をご用意しておりますの」
ルアンナ王女は壁際に控えていた侍女を呼び寄せ、平たく白い紙箱をもらい受けている。
やっと自分に関心を向けてくれた王子に微笑みかけ、「どうかお受け取りくださいませ」とそれを差し出した。
お礼を言って箱を手にした彼は、膝の上で赤いリボンを解き、「なんでしょうか」と期待のこもる笑みを浮かべて箱を開けている。
中に入っていたものを広げるようにして持ち上げれば、それは円形のレースのテーブルクロスであった。
私が以前、『私は意地悪』という文字を勝手に編み込んで完成させ、それを元通りにほどいたものに間違いない。
あのとき、下手だから王子に贈らない方がいいと助言してあげたのに、彼女にとっては自信作なのか、今も褒められることを期待するような顔で彼の反応を窺っていた。