悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
テーブル上には銀のティースタンドが置かれ、三段の白磁の皿には、下からサンドイッチ、スコーン、ケーキが美しく盛られている。
入ってきたメイドが押しているワゴンには、白磁にピンクのバラが描かれたカップがふたつと、お揃いのティーポットがのせられていた。
そのワゴンは王太子の席の真横に止められ、一礼するとメイドは出ていき、閉められたドアの内側には私たちふたりだけが残された。
ティーポットからカップに紅茶を注ぎ、私の前に置いてくれたのは王太子で、私はまたしても戸惑いを覚える。
「なぜ使用人にさせないのですか?」
思わず問いかければ彼はクスリと笑い、自分のカップを鼻先に近づけ、紅茶の香りを楽しみながら言った。
「ふたりきりの方がオリビアがくつろげると思ってね。さあ、召し上がれ。ティーフーズは君の好みに合わせたつもりだよ」
私はこってりとした味つけのものは好まない。
言われて皿の上のものに注目すれば、サンドイッチの具材は野菜とスモークサーモンで、上段のケーキは紅茶のシフォンとレモンケーキの二種類。
どれもアッサリとしてそうで、手が出しやすいように、小さめにカットしてあった。
入ってきたメイドが押しているワゴンには、白磁にピンクのバラが描かれたカップがふたつと、お揃いのティーポットがのせられていた。
そのワゴンは王太子の席の真横に止められ、一礼するとメイドは出ていき、閉められたドアの内側には私たちふたりだけが残された。
ティーポットからカップに紅茶を注ぎ、私の前に置いてくれたのは王太子で、私はまたしても戸惑いを覚える。
「なぜ使用人にさせないのですか?」
思わず問いかければ彼はクスリと笑い、自分のカップを鼻先に近づけ、紅茶の香りを楽しみながら言った。
「ふたりきりの方がオリビアがくつろげると思ってね。さあ、召し上がれ。ティーフーズは君の好みに合わせたつもりだよ」
私はこってりとした味つけのものは好まない。
言われて皿の上のものに注目すれば、サンドイッチの具材は野菜とスモークサーモンで、上段のケーキは紅茶のシフォンとレモンケーキの二種類。
どれもアッサリとしてそうで、手が出しやすいように、小さめにカットしてあった。