悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
窓の外はすっかり夕暮れの様相。
南向きの窓から西日が差し込み、白い丸テーブルを淡い茜色に染め、麗しき王太子の横顔も色づいていた。
きっと私の髪や頬も同じ色に染められていることだろう。
柱時計を見れば、時刻は十八時間近。
この応接室に入ってから、もう一時間以上過ぎたのかと、今気づいていた。
彼への苦手意識から、時の経つのが遅く感じられるだろうと覚悟していたのに、あっという間だったわ。不思議ね……。
そう思っていたら、ドアがノックされた。
「どうぞ」と王太子が声をかければ、オイルランプを手にした壮年の執事が現れ、一礼してから申し出た。
「お部屋に明かりを灯してもよろしいでしょうか?」
夕暮れ前から、こうして執事が燭台に火を灯して回る。
恐らく私たちの邪魔をしないようにと、この部屋は後回しにしたのだろうけれど、そろそろ火を入れなければ日が落ちてしまう。
しかし王太子は「いや、もう部屋を出るから」と執事に明かりを灯させずに退室させ、「今日はこれまでにしよう」と私に告げて立ち上がった。
私も席を立ち、両手をお腹の前で揃えて軽く頭を下げる。
「本日は楽しい時を過ごさせていただきました。感謝申し上げます」
「どういたしまして。それがオリビアの本心であるなら、何度でも誘いたいところだけどね」
南向きの窓から西日が差し込み、白い丸テーブルを淡い茜色に染め、麗しき王太子の横顔も色づいていた。
きっと私の髪や頬も同じ色に染められていることだろう。
柱時計を見れば、時刻は十八時間近。
この応接室に入ってから、もう一時間以上過ぎたのかと、今気づいていた。
彼への苦手意識から、時の経つのが遅く感じられるだろうと覚悟していたのに、あっという間だったわ。不思議ね……。
そう思っていたら、ドアがノックされた。
「どうぞ」と王太子が声をかければ、オイルランプを手にした壮年の執事が現れ、一礼してから申し出た。
「お部屋に明かりを灯してもよろしいでしょうか?」
夕暮れ前から、こうして執事が燭台に火を灯して回る。
恐らく私たちの邪魔をしないようにと、この部屋は後回しにしたのだろうけれど、そろそろ火を入れなければ日が落ちてしまう。
しかし王太子は「いや、もう部屋を出るから」と執事に明かりを灯させずに退室させ、「今日はこれまでにしよう」と私に告げて立ち上がった。
私も席を立ち、両手をお腹の前で揃えて軽く頭を下げる。
「本日は楽しい時を過ごさせていただきました。感謝申し上げます」
「どういたしまして。それがオリビアの本心であるなら、何度でも誘いたいところだけどね」