悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
アマーリアに着せたくて、今まで縫った服は百着を超す。最早趣味と言ってもいいかもしれない。
壁際の装飾の美しいキャビネットの前に立ち、引き出しを開けて、敷き詰めるように収納されている小さなドレス中から紫色のものを選ぶ。
窓際にはテーブルセットが置かれていて、一人掛けの布張り椅子に座り、人形の着せ替えを始めた。
「随分と派手に切られたものね。直すのも難しそうだわ。ねぇアマーリア、あなたにこんなひどい仕打ちをしたのは誰?」
話しかけながら、腹立たしい思いで考えを巡らす。
この部屋に出入りする人間は、掃除係の下働きの者か、私の身の回りの世話をするメイドしかいない。
けれども、彼女たちではないと判断する。
厳しく叱責したこともないし、恨まれるほどの深い付き合い方をしていないのだ。
それに私に嫌がらせをしたことで仕事をなくせば、困るのは彼女たちのほうである。
それならば…と考え、ひとりの女性の顔が浮かんだ。
それは王太子の妹で、私よりひとつ年上の十八歳の王女、ルアンナだ。
壁際の装飾の美しいキャビネットの前に立ち、引き出しを開けて、敷き詰めるように収納されている小さなドレス中から紫色のものを選ぶ。
窓際にはテーブルセットが置かれていて、一人掛けの布張り椅子に座り、人形の着せ替えを始めた。
「随分と派手に切られたものね。直すのも難しそうだわ。ねぇアマーリア、あなたにこんなひどい仕打ちをしたのは誰?」
話しかけながら、腹立たしい思いで考えを巡らす。
この部屋に出入りする人間は、掃除係の下働きの者か、私の身の回りの世話をするメイドしかいない。
けれども、彼女たちではないと判断する。
厳しく叱責したこともないし、恨まれるほどの深い付き合い方をしていないのだ。
それに私に嫌がらせをしたことで仕事をなくせば、困るのは彼女たちのほうである。
それならば…と考え、ひとりの女性の顔が浮かんだ。
それは王太子の妹で、私よりひとつ年上の十八歳の王女、ルアンナだ。