悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
彫刻の美しいマホガニーの立派な丸テーブルの上に、粗末な服が畳んで置かれているのだ。
男性用と女性用の二着があり、先ほど着替えをするという話をされたことを考えると、もしかしてこれに……。
戸惑う私の隣で王太子は、普通の調子で指示をする。
「その衣装に着替えをして。俺は一旦廊下に出ている。君の後には俺も着替えるから」
「あ、あのーー」
呼びかける私の声は届かなかったのか、彼はドアを開けて廊下に出てしまった。
閉められたドアからテーブルに視線を戻した私は、恐る恐る衣装を広げてみた。
ブラウスと呼んでいいのかわからない生成りの長袖の上衣に、くすんだ水色のスカート。日焼けして生地が傷んだエプロンと、木綿の頭巾だ。
農民の娘が着ているような衣装一式に、私は顔を曇らせる。
石鹸の香りがして清潔なものであるようだけど、それにしたって公爵令嬢である私に、こんな粗末な服を着ろと言うなんて……。
彼に対して非難の感情が芽生えたが、着替えなければ今日の外出は中止にされてしまうかもしれない。
秘密の場所に対する好奇心は消えていないので、私は仕方なくドレスを脱いで、村娘のような服を身につけた。
男性用と女性用の二着があり、先ほど着替えをするという話をされたことを考えると、もしかしてこれに……。
戸惑う私の隣で王太子は、普通の調子で指示をする。
「その衣装に着替えをして。俺は一旦廊下に出ている。君の後には俺も着替えるから」
「あ、あのーー」
呼びかける私の声は届かなかったのか、彼はドアを開けて廊下に出てしまった。
閉められたドアからテーブルに視線を戻した私は、恐る恐る衣装を広げてみた。
ブラウスと呼んでいいのかわからない生成りの長袖の上衣に、くすんだ水色のスカート。日焼けして生地が傷んだエプロンと、木綿の頭巾だ。
農民の娘が着ているような衣装一式に、私は顔を曇らせる。
石鹸の香りがして清潔なものであるようだけど、それにしたって公爵令嬢である私に、こんな粗末な服を着ろと言うなんて……。
彼に対して非難の感情が芽生えたが、着替えなければ今日の外出は中止にされてしまうかもしれない。
秘密の場所に対する好奇心は消えていないので、私は仕方なくドレスを脱いで、村娘のような服を身につけた。