主人公の両親が主人公である前の作品も読みました。今回は、その二人の娘が主人公のお話。
腹黒さを兼ね備えた父親と、少しのずる賢さを持ちながらも、実は心優しい母親。いろいろなしがらみや陰謀を超えて結ばれた二人ですが、根深い因縁の結末ははっきりとせずじまいでした。そこがモヤモヤしていたのですが、今回、この作品を読んでその因縁にも一つの区切りが。
また、父親譲りの腹黒さを持ちながらも、実は純粋な主人公は、自分の腹黒さに悩みながらも、王太子の優しさに惹かれていきます。悪だくみとその後の反省と、そこに本当の悪い人にはなれない主人公の真の性格などが表れていて、本来なら受け付けにくいキャラなのに、なぜか好感を持ってしまいます。ただの恋愛だけではなく、深い隠された謎などもあり、すごく読み応えのある作品でした。

少しづつ恋に変わる色の鮮やかさが上手く描かれていて、秘密の場所もきっと天界のような美しさなのでしょうね。そこでの二人の死闘がまた迫るものがありました。幸せになって欲しいです。民衆に混ざって手を振って応援したくなりました。

まめさんのファンタジーは中身がしっかりとしていて、本当に読んでいて楽しいです。
優しすぎるレオナルドがオリビアの為にならその相手に対して冷酷な部分もあったり、
オリビア自身も恋を知り、優しくなって行く姿。
登場人物の心の動きがしっかりと描かれていて、とても感情移入出来ました。

ラスト付近では意外な展開での波乱がありましたが、
その出来事のおかげで王と王妃の人柄の良さが伝わりました。
アクベス家以外登場人物はいい人ばかりで、心暖まる作品です。
そして、レオンとのやり取りにドキドキでした。