メガネ男子と虹の空
「虹の画像をもらったとき、副島さんのことを虹にかこつけたナンパかと思った。実のところは俺を全く知らなくて、俺だけが君を知っていてプチショックだった」

 それは私にとって嬉しい告白だった。今の感情をこのまま大事に温めていいよと言われているみたいだ。


「笑うなよ」

 はじめは怒ったふうに口を尖らせていた樽見さんだったけれど、私が一向に笑みを収めないものだから、根負けしたように笑い顔になった。

「だから、笑うなって!」
「樽見さんていい人ですね」
「俺がどうこうじゃない。君のせいだ」

 くすくす笑いながら、樽見さんの視線を横顔で受けながす。胸の高鳴りが心地よくて、もっとどきどきさせてくれたらいいのにと思う。
 だけどそこは敢えてなんでもないふうを装う。
 遠くのねぶたを指さしながら、今度は私の方から樽見さんの袖に触れた。




  — メガネ男子と虹の空・了 —


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