Blizzard Love
ビルから出てきたその人の姿は

すぐにわかった。

彼だ!

ユキは急いで駆け寄った。

けど

どうも誰かと

女の人と一緒だ。

それも自分と変わらない年に見える女の子

可愛い女の子だ。

その子が彼の後を追いかけていく。

それを追うようにユキもあとを追った。

彼女が何かを彼に言っている。

彼は嫌そうに

面倒そうに

煩わしそうに

足を止めて振り返った。

そして

耳を疑うようなひどいことを

・・・言った。

「俺はお前相手じゃヤる気にはならないって何回言わせる気だ?いいから帰れ。」

って。

ユキは愕然として、ふたりを見つめていた。

お付き合いしてる・・雰囲気じゃない。

痴話喧嘩ってふうでも・・

けど・・

サイオンジトオルは、こんなひどいことを女の子に言える人・・なんだ・・

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