Blizzard Love
真っ青な顔で立つ女の姿に気がついたのは

小萩がひっどーいといつものようにぶりっこして腰をくねらせている時だった。

・・あの子、どこかで・・

そこまで考えて気がついた。

彼女の手に

手袋をしたその手に俺のパスケースが握られていることに。

「・・っえ、キミ!」

っていうか、もしかして・・

俺は小萩を押しのけてその子に駆け寄った。

「それ・・。」

真っ青だ。

血の気が感じられないくらい・・

もしかして、ずっと待ってたのか?

「あ、これ・・どうぞ。」

女の子はそう言って、俺にパスケースを差し出した。

「あ、ありがとう・・すごく、すごく助かるよ!ほんとに・・。」

「いえ・・。」

その子は、すごく弱々しげに微笑んだ。
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