Blizzard Love
吹雪いているのは周りだけじゃなく、俺の中の温度も氷点下にまで下がった気がした。

・・顔だけ?

顔だけだって言った?

「こっちにいられる期間短いんで、せっかくだからどんな方なのかな、って興味が湧いちゃって、それだけなんです。けど、がっかり。こんな自分勝手な方だったなんて・・。」

・・・

「ちょっと、まてよ。なんで俺がそこまで言われなきゃならないんだ。」

どっちが自分勝手なんだ・・そう思いながら、俺は到底そんなことを言いそうに見えないか弱げな顔を見つめた。

「女性に優しくない男性は好きじゃありません。」

と、彼女はきっぱり言い放った。

そして、再び歩き始めた。

もう、本当に俺のことなんか興味はない、みたいに。

「あーあ、主任フラれちゃいましたねっ。」

見守っていた小萩が、ふふっと含み笑って言った。
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