Blizzard Love
ユキは眉を顰めて立ち上がった。

「何ですか?」

サイオンジトオルは、何ってご挨拶だな、と言って近づいてくる。

「さきほど、ご挨拶したと思いましたけど。」

「うん、したね。っていうか、キミ名前は?」

「・・しつこいですよ?」

「ずいぶんだな。俺は西園寺透。35歳。キミは?」

ちょっと困ったように微笑んで、そのそぶりもやっぱり嫌いではない。

何よりもやっぱり顔立ちが好き。

いいや、とユキは自分を叱るように首を横に振った。

「私は、あなたのこと嫌いです。」

「俺は、キミに興味がある。だから、キミのことをもっと知りたいって思ってる。」

はっきりと言われて、ユキは思わず後ずさった。

興味がある・・なんて・・

ううん、信じちゃダメ!
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