Blizzard Love
今朝方、凍結した雪で車輪が滑って転んだあの時・・

多分、あの時にぶちまけて

拾い忘れたんだろう。

「あーサイアクだ。」

いや、とりあえず・・

帰りしにもう一度あそこの道を通って

そうだ

もしかしたら茂みの中とかに落ちてるかもしれないし・・

俺はうん、と一人でうなづいて立ち上がった。

「主任、お急ぎですか?」

小萩梅子がキュるっと音を立てて小首を傾げる。

俺はこういう女が苦手だ。

若いってだけで、どんな男もぶりっ子すりゃオトせると思ってる。

「ああ、急いでる。」

冷たく答えて、エレベーターに駆け込む。

小萩梅子なんて古風な名前してるくせに会社の男をいつだって狙ってるハンターみたいな女。

ってことは周知の事実だ。

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