覇王と女官の恋~囚われの花嫁~
「皇帝に拝謁いたします」

「立つがよい」

杏は立ち、皇帝の近くにいった。

「採寸をしたいのですが」

「・・・」

「皇帝?」

皇帝は黙ったままだった。杏が声を
かけると、返事をした。

「あぁ、すまない。よろしく頼む」

「はい」

採寸をしていると鍛えている体だと
分かる。杏は何故かドキドキしていた。

(何だろう、この気持ちは)

今の杏には分からなかった。



採寸が終わり皇帝堂を出ようとした
その時

「待ってくれ」

「は、い」

「そなたの名前は?」

「杏、です」

杏は何故名前を聞いてくるのか分からない。

「そうか、いい名だな。引き止めて悪かった」

「いいえ。大丈夫でございます」

そう挨拶をして皇帝堂から出た。
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