覇王と女官の恋~囚われの花嫁~
「その楽器は演奏堂に運んで」

杏は催しの準備や踊りに追われて
いた。

「もう、終わったわね。部屋に戻って」

「はい。杏位様」

(私は演奏堂に行かないと)

後残り1週間なので、音に合わせて
練習していた。

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「ここはもっとゆっくりお願い
 します」

「はい。杏位様、完璧に踊れて
 いますね」

「いいえ。そんな事は」

杏は従来あった踊りと自分でつくった
踊りを組み合わせているので、新しく
感じる。

「杏、そなたは謙遜し過ぎだ。
 たまには自慢してもいいのだぞ」

「いえ。私はまだまだーー」

まだまだです、と言おうとした時

「皇帝に拝謁いたします」

「立つがよい」

「杏、そなたには浩然と呼んでも
 いいと言っただろう」

「はい。浩然様」

春麗の方を見ると、驚いた表情をしていた。

(そうなるよな、普通)

後で、質問責めにあうなと思った。

「踊りの方は順調か?」

「はい。完成しました」

「無理はするでないぞ。
 当時見れなくなるからな」

「はい。浩然様」

返事をした後皇帝は出ていった。
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