覇王と女官の恋～囚われの花嫁～

「杏位様、お腹が大きくなって
　きましたね」

「あぁ、そうだな。そろそろ産まれて
　くるかもしれないな」

仕事をしながら、杏と花はそう
話していた。

「元気な子が産まれるといいですね」

「そうだな。1番それを願っている」

当時、下町では飢饉があり子供が
未熟児で産まれたり五体満足では
ない子供が産まれていた。

===========================

「皇帝に拝謁いたします」

「あぁ。体調はどうだ？」

「大丈夫です。つわりも良くなりました」

先月は体調が崩れ、仕事も手がつけられ
なかった。

「あまり無理はするなよ」

「うん。分かっているわ」

2人は、笑いながら早く子供が産まれ
ないかと期待していた。