イジワル外科医の熱愛ロマンス
『いくら元婚約者でも、さすがにオペ中の宝生先生を見たことはないだろう?』
木山先生に言われた通り、もちろん祐がオペをする姿を見るのは、これが初めてだ。
素直に認めるのは悔しいけれど、外科医の祐は、文句なくカッコいい。
とても素敵だ。
意志に反して惹きつけられる感覚に、抗えない。
思わず身を乗り出しそうになった時、同じ空間から視線を感じた。
ハッとして顔を上げると、木山先生が私を見て微笑んでいるのが見えた。
私は慌てて木山先生から目を逸らし、眼下のオペ室が視界に入らない位置まで移動した。
つい、見惚れていたところを見咎められてしまった。
なんとなくバツが悪い思いで、私は自分の靴の爪先を見つめることに徹する。
『本郷さんがどうして婚約を破棄したのか。僕はそこに興味があるんだけど、どうやら他人にはわからない根深い物がありそうだね』
木山先生に言われた言葉が、脳裏に浮かび上がってくる。
『一方的と言うからには、恐らく宝生先生自身も、理由がわかっていないから、君に復讐して気を晴らそうなんて考えるんだろう。だから』
木山先生は言葉を切って、私を上目遣いに見上げながら、ニヤッと笑った。
『いきなり宝生先生と話せとは言わない。まず本郷さんが、自分と向き合うこと。そしてその間、僕ができる限りのサポートをしてあげるよ』―—。
木山先生に言われた通り、もちろん祐がオペをする姿を見るのは、これが初めてだ。
素直に認めるのは悔しいけれど、外科医の祐は、文句なくカッコいい。
とても素敵だ。
意志に反して惹きつけられる感覚に、抗えない。
思わず身を乗り出しそうになった時、同じ空間から視線を感じた。
ハッとして顔を上げると、木山先生が私を見て微笑んでいるのが見えた。
私は慌てて木山先生から目を逸らし、眼下のオペ室が視界に入らない位置まで移動した。
つい、見惚れていたところを見咎められてしまった。
なんとなくバツが悪い思いで、私は自分の靴の爪先を見つめることに徹する。
『本郷さんがどうして婚約を破棄したのか。僕はそこに興味があるんだけど、どうやら他人にはわからない根深い物がありそうだね』
木山先生に言われた言葉が、脳裏に浮かび上がってくる。
『一方的と言うからには、恐らく宝生先生自身も、理由がわかっていないから、君に復讐して気を晴らそうなんて考えるんだろう。だから』
木山先生は言葉を切って、私を上目遣いに見上げながら、ニヤッと笑った。
『いきなり宝生先生と話せとは言わない。まず本郷さんが、自分と向き合うこと。そしてその間、僕ができる限りのサポートをしてあげるよ』―—。