イジワル外科医の熱愛ロマンス
もちろん私の実経験ではなく、恋愛ゲームで感銘を受けたセリフの受け売りだ。
それを、いかにもお姉さんぶって、まるで自分が体験して得た考えのように言ってしまっただけ。
……というのも、さすがに痛すぎて言えない。
モゴモゴと声を消え入らせる私に、美奈ちゃんはクスッと笑った。
「そんなわけで、私の恋のキューピッドは、木山先生だけじゃなく、雫さんもなんですよ~。だから今度は私が応援します! で……キューピッド同士って意味で『雫さんと木山先生』っていうのも、別に文句はないんですけど……」
美奈ちゃんは唇に人差し指を当てて、目線を上向け、わずかに逡巡した。
そして、ニッと口角を上げて微笑む。
「個人的には、木山先生より、宝生先生の方が絶対オイシイと思います!」
握った拳に力を込めて言い切る美奈ちゃんに、私はちょっと呆気に取られてから苦笑した。
「それは……やっぱりイケメンだからですか?」
口に軽く手を当てて、私もクスクス笑いながら訊ねると、彼女はまったく悪びれた様子もなく『もちろん!』と胸を張った。
そして私たちは顔を見合わせて、ほとんど同時に噴き出して笑った。
「さ、雫さん。私たちも早くメニュー選んで、先生たちに合流しましょ。ドクターは早食いだから。置いて行かれちゃいます!」
それを、いかにもお姉さんぶって、まるで自分が体験して得た考えのように言ってしまっただけ。
……というのも、さすがに痛すぎて言えない。
モゴモゴと声を消え入らせる私に、美奈ちゃんはクスッと笑った。
「そんなわけで、私の恋のキューピッドは、木山先生だけじゃなく、雫さんもなんですよ~。だから今度は私が応援します! で……キューピッド同士って意味で『雫さんと木山先生』っていうのも、別に文句はないんですけど……」
美奈ちゃんは唇に人差し指を当てて、目線を上向け、わずかに逡巡した。
そして、ニッと口角を上げて微笑む。
「個人的には、木山先生より、宝生先生の方が絶対オイシイと思います!」
握った拳に力を込めて言い切る美奈ちゃんに、私はちょっと呆気に取られてから苦笑した。
「それは……やっぱりイケメンだからですか?」
口に軽く手を当てて、私もクスクス笑いながら訊ねると、彼女はまったく悪びれた様子もなく『もちろん!』と胸を張った。
そして私たちは顔を見合わせて、ほとんど同時に噴き出して笑った。
「さ、雫さん。私たちも早くメニュー選んで、先生たちに合流しましょ。ドクターは早食いだから。置いて行かれちゃいます!」