イジワル外科医の熱愛ロマンス
学食でランチを終えた後、一色先生は附属病院へ、私と木山先生と美奈ちゃんは三人で医局に戻った。
木山先生は休む間もなく講義に向かい、私と美奈ちゃんはちょっと離れたお互いのデスクに着き、いつも通り仕事を開始する。
時々座ったまま会話を交わしたりしながら、私は講師の先生に頼まれた大学講義用の資料作成を進めた。
でも、会話が途切れ静かになると、私の脳裏にはオペ室で見た祐の姿が過ってしまう。
私は医局秘書になってまだ一年半も経たないけれど、何度か見学ルームに入る機会があった。
うち、一回は園田教授が執刀医を務めるオペ。
あの時は、第一助手を講師の先生が務めていた。
心臓外科医局の大御所、園田教授の助手で、緊張していたのかもしれない。
講師の先生は、どこかちょっと固くなっていた。
器具を間違えて指示して訂正したり、ナースが読み上げるバイタルを聞き間違えたり。
何度か教授から『平常心で』と声を掛けられたりもしていた。
あの時のことを思い出すと、まだ心臓外科医としてはそれほど経験のない祐が、どれだけ堂々とオペをしていたか、すごく強く感じ取れる。
彼は、昔と全然変わらない。
いつも堂々としていて自信満々。
初めて彼のオペを見た私の目にも、その姿はとても頼もしく映った。
木山先生は休む間もなく講義に向かい、私と美奈ちゃんはちょっと離れたお互いのデスクに着き、いつも通り仕事を開始する。
時々座ったまま会話を交わしたりしながら、私は講師の先生に頼まれた大学講義用の資料作成を進めた。
でも、会話が途切れ静かになると、私の脳裏にはオペ室で見た祐の姿が過ってしまう。
私は医局秘書になってまだ一年半も経たないけれど、何度か見学ルームに入る機会があった。
うち、一回は園田教授が執刀医を務めるオペ。
あの時は、第一助手を講師の先生が務めていた。
心臓外科医局の大御所、園田教授の助手で、緊張していたのかもしれない。
講師の先生は、どこかちょっと固くなっていた。
器具を間違えて指示して訂正したり、ナースが読み上げるバイタルを聞き間違えたり。
何度か教授から『平常心で』と声を掛けられたりもしていた。
あの時のことを思い出すと、まだ心臓外科医としてはそれほど経験のない祐が、どれだけ堂々とオペをしていたか、すごく強く感じ取れる。
彼は、昔と全然変わらない。
いつも堂々としていて自信満々。
初めて彼のオペを見た私の目にも、その姿はとても頼もしく映った。