イジワル外科医の熱愛ロマンス
自分で言った『断る言い訳』という言葉が何故かしっくりこなくて、胸に引っかかったからだ。
「……雫さん?」
突然黙り込む私に、美奈ちゃんが怪訝そうに呼びかけてきた。
私は自分のカップに目を伏せ、一度首を横に振ってみせる。
カップを口に運び、甘いキャラメルラテを一口含んだ。
ゴクンとゆっくり飲み下すと、喉の奥から濃厚な甘みが広がり、身体全体に浸透していくような気がした。
おかげで、疲れ切っていた思考回路が少し回復したようだ。
私は自分に疑問を投げかけていた。
「祐が? 私をダシに言い訳してまで断る?」
それに対する答えは、私の中には用意されていない。
「だって、婚約者がいても、祐には何人も付き合ってる人がいたじゃない。私、見たもの。……祐が他の女の人と一緒にいるの。いつもいつも違う、別の人で……」
「雫さん。それ、確かですか?」
ブツブツと独り言を呟く私を、美奈ちゃんがそう言って遮った。
自分の思考に沈み込んでいた私は、一瞬なにを聞かれたのかわからなかった。
「宝生先生に、他に何人も付き合ってる人がいたって。たとえば、どこでなにしてるとこ見たんですか?」
「……雫さん?」
突然黙り込む私に、美奈ちゃんが怪訝そうに呼びかけてきた。
私は自分のカップに目を伏せ、一度首を横に振ってみせる。
カップを口に運び、甘いキャラメルラテを一口含んだ。
ゴクンとゆっくり飲み下すと、喉の奥から濃厚な甘みが広がり、身体全体に浸透していくような気がした。
おかげで、疲れ切っていた思考回路が少し回復したようだ。
私は自分に疑問を投げかけていた。
「祐が? 私をダシに言い訳してまで断る?」
それに対する答えは、私の中には用意されていない。
「だって、婚約者がいても、祐には何人も付き合ってる人がいたじゃない。私、見たもの。……祐が他の女の人と一緒にいるの。いつもいつも違う、別の人で……」
「雫さん。それ、確かですか?」
ブツブツと独り言を呟く私を、美奈ちゃんがそう言って遮った。
自分の思考に沈み込んでいた私は、一瞬なにを聞かれたのかわからなかった。
「宝生先生に、他に何人も付き合ってる人がいたって。たとえば、どこでなにしてるとこ見たんですか?」