イジワル外科医の熱愛ロマンス
そして、困惑する私に、チラリと視線を向けてくる。
「……ねえ、雫さん。どうして雫さんはそんなに宝生先生が嫌いですか?」
美奈ちゃんの静かな質問に、私は無意識にキュッと唇を噛んだ。
カウンターの上で組み合わせた自分の手を、ただジッと見つめる。
「だって……私は彼に、『結婚も恋愛も絶対ない』って言われてます。そんな人と婚約を強いられたって」
私は言葉を考えながら、慎重になって美奈ちゃんに返事をした。
美奈ちゃんは私の横顔を困ったように注視していたけれど、「はあ」と声に出してちょっと呆れたような溜め息をついた。
「それじゃ、雫さんが宝生先生を嫌いな理由にならないですよ。でも、そっか。やっぱりでしたね」
「やっぱりって?」
美奈ちゃんがなにを合点したのかわからず、私は怯みながら彼女の言葉を拾った。
「雫さんも、宝生先生のこと好きだったのか~って!」
「っ……なっ!?」
やけに強気に、しかも断言する美奈ちゃんに、私はただギョッとして眦が裂けそうなほど大きく目を見開いた。
「ちょっ……美奈ちゃん、やめてください! な、なにを言って……!!」
「照れない照れない。も~。なんでウチの医局は、恋愛となるとこうも厄介な人が多いのかなあ」
「……ねえ、雫さん。どうして雫さんはそんなに宝生先生が嫌いですか?」
美奈ちゃんの静かな質問に、私は無意識にキュッと唇を噛んだ。
カウンターの上で組み合わせた自分の手を、ただジッと見つめる。
「だって……私は彼に、『結婚も恋愛も絶対ない』って言われてます。そんな人と婚約を強いられたって」
私は言葉を考えながら、慎重になって美奈ちゃんに返事をした。
美奈ちゃんは私の横顔を困ったように注視していたけれど、「はあ」と声に出してちょっと呆れたような溜め息をついた。
「それじゃ、雫さんが宝生先生を嫌いな理由にならないですよ。でも、そっか。やっぱりでしたね」
「やっぱりって?」
美奈ちゃんがなにを合点したのかわからず、私は怯みながら彼女の言葉を拾った。
「雫さんも、宝生先生のこと好きだったのか~って!」
「っ……なっ!?」
やけに強気に、しかも断言する美奈ちゃんに、私はただギョッとして眦が裂けそうなほど大きく目を見開いた。
「ちょっ……美奈ちゃん、やめてください! な、なにを言って……!!」
「照れない照れない。も~。なんでウチの医局は、恋愛となるとこうも厄介な人が多いのかなあ」