イジワル外科医の熱愛ロマンス
どうしよう。
美奈ちゃんは、完全に思い込んでしまっているようだ。


彼女の頭の中では、私が今、祐のことを好きだという風に確定されてしまっている。
誤解されたまま放っておいたら、美奈ちゃんは昼間宣言してきた通り、本当に『後押し』しようとするに違いない。


それはダメ。絶対に!


「違う、美奈ちゃん! あ~……もうっ! わかりました、白状します! 好きでした、確かに、祐のこと!」


美奈ちゃんが『敵』になる。
それは本当に勘弁してほしくて、私はヤケになって捲し立てた。


「でもそれは中学生の時までであって、今は違います! 断じて!!」


それには彼女も「へ?」と言って、耳を傾けてくれる。
美奈ちゃんが聞き留めてくれたことにホッと息をつき、私は冷静さを取り戻そうと、静かにその先を続けた。


「私にとって、祐は初恋でした。でも、先ほども言った通り、私は彼にとって『絶対ない』んです。そう言われた時から、私は今まで誰も好きにならずに過ごしてきました」

「今まで、誰も?」

「はい」


美奈ちゃんが、反応に困っているのが、手に取るようにわかる。
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