イジワル外科医の熱愛ロマンス
バスローブの袷を気にして、胸元をギュッと握り締めると、私は壁際ギリギリまで逃げた。
祐と十分な距離を取ってから、虚勢を張ってキッと険しい目で彼を睨み上げる。
けれど、祐の方は動じた様子もない。
表情も変えずに「ふん」と鼻を鳴らしただけだ。
「布団の中でボソボソ言ったって聞こえないんだよ。って……」
太々しく言いのけた後、祐は一度言葉を切り、「へえ」と言って片方の手で顎を摩った。
ジロジロと私を見遣り、ニヤリと笑う。
私はドキッとしながら、祐から目を逸らした。
「な、なんですか。そんな不躾に……」
「俺にはちゃんとパジャマを着ろなんて言って、お前もバスローブなんだな、ってね」
「っ、だって、ホテルに宿泊することになるとは思っていなかったから、着替えも持って来てなくて……」
「悪いとは言ってない。そういう姿、初めて見たせいかな……結構そそられる」
「……っ」
祐が意味深に声を低くして言った言葉にギョッとして、私は思わず息をのんだ。
「へ、変なこと言わないでください」
布団を被って先に寝てしまおうと思ったのは、この姿を見られたくなかったせいでもある。
なのにそんなことを言われて、私の頭の中で危険信号が点滅し始める。
祐と十分な距離を取ってから、虚勢を張ってキッと険しい目で彼を睨み上げる。
けれど、祐の方は動じた様子もない。
表情も変えずに「ふん」と鼻を鳴らしただけだ。
「布団の中でボソボソ言ったって聞こえないんだよ。って……」
太々しく言いのけた後、祐は一度言葉を切り、「へえ」と言って片方の手で顎を摩った。
ジロジロと私を見遣り、ニヤリと笑う。
私はドキッとしながら、祐から目を逸らした。
「な、なんですか。そんな不躾に……」
「俺にはちゃんとパジャマを着ろなんて言って、お前もバスローブなんだな、ってね」
「っ、だって、ホテルに宿泊することになるとは思っていなかったから、着替えも持って来てなくて……」
「悪いとは言ってない。そういう姿、初めて見たせいかな……結構そそられる」
「……っ」
祐が意味深に声を低くして言った言葉にギョッとして、私は思わず息をのんだ。
「へ、変なこと言わないでください」
布団を被って先に寝てしまおうと思ったのは、この姿を見られたくなかったせいでもある。
なのにそんなことを言われて、私の頭の中で危険信号が点滅し始める。